彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
花火が終わった帰り道。

暗い道をぞろぞろと
駅に向かう人波。


駅のホームで
壁に寄りかかって
肩を並べて電車を待った。


つながれた
俺と小春ちゃんの手は
汗ばんでいた。


だけど、離したくない。


『最初で最後のデートが
終わっちゃったなぁ』


気持ちとは反対に
笑う俺。


『…最後じゃないもん』

小さく言い返す
小春ちゃん。


『そっか。』


だけど…

3日後には、俺は帰る。


そしたら次は?

いつ会えるんだろう。



俺は無口になってしまった
小春ちゃんを見た。


恋人たちのよく聞く台詞。


“このまま時が止まれば良いのに”


そんなこと思ったことなかったケド。


今は本当に、そう思うよ。


このまま小春ちゃんと
いれたら良いのにな。


もっとデートして

もっと小春ちゃんの
笑顔が見たい。



寂しそうに俯く
小春ちゃんの

隣にいてやりたい。



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