彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
『直くんと小春がもっとずっと小さい時にね』


おばさんの声に
俺は目をあけた。


『直くんのお母さんと、2人が一緒になったらエエのになぁって、冗談で言うてたんよ』


おばさんが運転しながら言う。


『ほんまに実現するとは思わへんかったって、昨晩電話で笑ってたんよ。』


おばさんとうちの母さんが…


俺はバックミラーに映る
おばさんを見た。


おばさんの目が
笑っている。


『頼りない思ってた小春も…
いつの間にか遠距離恋愛なんかできるようになったんやなぁ…』


『お母さん…』


小春ちゃんの声に
おばさんがミラー越しに
俺たちを見た。



『頑張るんやでぇ…』


『………』


『お母さんも直くんのお母さんも、応援してるんやから。』


おばさんの優しい声に
また胸が熱くなる。


小春ちゃんも
唇をかんでいた。



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