彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
『お…』
…お?
小春ちゃんは少し俯きながら
遠慮がちに言った。
『女に…してくだしゃい…』
呟いてからもっと赤くなって
背中まで丸める小春ちゃん。
そんな小春ちゃんの姿に…
『く…』
思わず笑いだす俺。
『あはははは』
小春ちゃんは
予想外だったのか目を丸くして俺を見た。
いやいや…
だって可愛すぎるだろ。
『む…むう…』
俺に笑われて
恥をかいたみたいな顔して
唇を尖らせる小春ちゃん。
『ば―か…』
俺は
小春ちゃんにゆっくり近付いて
そのまま久しぶりのキスをした。
『んん…』
唇を離してからも
うっとりする小春ちゃん。
俺は微笑みながら
小春ちゃんのおでこを
また小突く。
『シートベルトしろよ』
『ほあ…?』
俺と小春ちゃんを乗せて
走り出す車。
ここまでは
小春ちゃんが描いた通り。
漫画ではこの先
俺が教師になって
小春ちゃんにプロポーズをする。
今のところ
なんとか教員資格は取れそうだ。
*fin*