彼に恋した夏(方言企画大阪弁編)
たった3泊

最後の夜はあっという間にきた。


3日間小春ちゃんを放置して
小春ちゃんはだいぶ
落ち込んでるようだった。



夕食後、
俺は小春ちゃんを誘い出す。


『寒いけど散歩でも行く?』


小春ちゃんの顔が
一気に明るくなる。


『いいの??』

小春ちゃんの嬉しそうな顔に
俺も笑顔になる。


『うん。』


俺と小春ちゃんは
近くの公園まで歩いた。


『放置してごめんな』


俺の言葉に
小春ちゃんは首をふる。


『太一が合格したら次はうちといっぱい遊んでね~?』


にっこり笑う小春ちゃん。

寒さでほっぺと鼻が
赤くなっている。


俺は小春ちゃんを引き寄せて
抱きしめた。


『ん―…しゅき~』


俺のジャケットに埋まる
小春ちゃん。


『…俺も』


優しく抱きしめる。

半年ぶんの想いが溢れ出す。


『…直樹きゅんにお願いあるぅ』


いつになく
甘えた声の小春ちゃん。


『ん?なに?』


俺が小春ちゃんを見ると
小春ちゃんはもじもじと
上目遣いで俺を見た。


『あのね…半年ぶんのキスして?』


言ってから少し俯く
小春ちゃん。


『…………』


俺は小春ちゃんの
鼻をつまんだ。


『むきゃっ!』


そんな小春ちゃんを
俺は軽くにらみながら


『どこでそんなの覚えたの?』


冗談っぽく言いながら
半分本気で言った。


『へへ~』


そんな俺の気持ちには気付かず
可愛く笑う小春ちゃん。


あ~もう…

なんでこんなに愛しいかな。


俺は小春ちゃんに
半分ぶんのキスをした。



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