どーるぷりんせす


─────────‥



放課後。
帰ろうと靴を履き替えていると、後ろから肩を叩かれた。

「花岡っ。一緒に帰ろ!」

振り向くと吉田くんが居た。

「うん、いい───」


あ、いけない!

祐くんに吉田くんと仲良くするなって言われてたんだった。

‥なんだか悪い気もするけど、断ろう。

「ごめん、今日は用事があってはやく帰らなきゃいけないんだ」

そう言うと吉田くんはシュンとなった。

悪いことしちゃったな‥。

「そっか、なら仕方ないね。じゃあまた今度帰ろ」


「うん!ほんとにごめんね。じゃあまた!」


吉田くんの顔を見ていられなくて逃げるように去った。

ごめんね、吉田くん。


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