どーるぷりんせす
舞が小声であたしに耳打ちした。
「舞、右の人タイプ〜。」
確かに、髪が短めでチャラそうな人は舞のタイプだ。
あたしはもうひとりの方がタイプだな。
茶色いワックスでセットしてある髪に、着崩している制服。
細いのに程よく筋肉がついていて、背が高い。
すごいかっこいい‥。
「あ、こっち見たっ」
2人でキャーキャーしながら見ていると、目が合ってしまった。
「あれ?杉森舞と花岡結衣じゃね?!」
舞のタイプの人が近づいてきた。
「あ、おれ伊藤駿(イトウシュン)!よろしくね〜♪」
にかっと笑って手を差し出してきた駿くんに、舞は顔を赤くして手を差し出した。
「舞ちゃんって意外と照れ屋だね?かわい〜い♪」
可愛いと言われた舞はますます顔を赤くして、もじもじしている。
ほんと可愛いんだからっ!
「おい駿、何やってんだよ。早くやろうぜー‥って誰?駿の彼女?」
「は?!祐知らねーの?いま人気のアイドル、杉森舞とモデルの花岡結衣だよ!」
"祐"と呼ばれた人はあたし達を食い入るように見た。
「ふーん‥そういうの興味ない。」