どーるぷりんせす



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外に出るとポカポカとした日差しに、ピンクの綺麗な桜がたくさん。


今日は1ヶ月ぶりに結衣に会える日。


まるで遠足の日の朝のようなワクワクした気持ちで学校へと向かう。


校門をくぐると、新入生らしき奴らが強ばった顔で次々と校舎の中へと入ってきていた。


別に約束しているわけじゃないけど、あの中庭に座って結衣を待つ。


たまに制服に落ちてくる桜の花びらを払いながら、そわそわする俺。


クラス発表を見に行かなきゃいけないんだけど、そんなのはどうだっていい。

結衣が来てからだって見れるし。


「祐くんっ」


髪に付いた桜の花びらを取っているときだった。


愛しい奴の声がした。


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