どーるぷりんせす





「ごめんね、迷惑ばっかかけちゃって。」


家についたころにはもう真っ暗だった。


「いや、俺も混乱させるような事言ってごめん。」


しょんぼりとする吉田くんに、なんて声をかけていいのか分からなかった。


「‥でも俺本気だから」


いつになく真剣な吉田くん。

あたしの手を引いてゆっくりとあたしを引き寄せた。


「好き」


祐くん以外の男の子に抱き締められるのは初めて。


祐くんとは違う体型に戸惑う。


「本当に好きなんだ‥」


心なしかあたしを抱く手に力が入ったような気がした。

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