どーるぷりんせす
「よし、じゃあ今日はこれで終わり。お疲れ、結衣ちゃん」
カメラマンさんがニッコリとしながら言った。
「お疲れ様でしたっ!」
笑顔で深く頭を下げると、あたしは私服に着替えるためにメイクルームへと向かった。
「結衣、今日もよかったよ」
マネージャーの鈴木さんに声をかけられ、あたしはニッコリと微笑む。
いつもならここでもうちょっとお喋りしたいところだけど、今日はそんな時間はない。
急いで着替えて、スタジオを出る。
「あっ鈴木さん、スケジュールメールで送っといてください!じゃあお疲れ様でしたー!」
「あいよー」
スタッフの皆さんに見送られてスタジオを出ると、冬の冷たい風が当たった。
「寒っ!」
サングラスをかけて、駅へと急ぐ。
時計を見ると、もうすぐ3時になろうとしていた。
やばいやばいっ、遅刻しちゃう!
あたしは少し小走りで走り出した。