どーるぷりんせす




「怒ってる?」


涙を溜めているその大きな瞳に見つめられて、少し戸惑う。


「んー‥」


怒ってないといえばうそになる。

でも‥‥


「謝ってくれたからもういい。」


「よかった‥‥」


「でも!」


一瞬明るくなった結衣だったけど、俺が言葉を続けたからまた不安そうな顔になった。


「なんで吉田とああなったのかをみっちり教えてくれないとお仕置きするよ?」


ニヤッと笑って結衣を抱き締める。


「祐くん〜っ。仲直りできてよかった〜」


子供のように泣きじゃくる結衣の背中をさする。


もう高校生なんだから少しくらいは我慢しろよとか思うけど、泣かせてるのは俺だから言えない。


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