どーるぷりんせす
最終章

結衣side





───────────‥



「嘘でしょっ?!」


真冬のカフェテリアのおしゃれな空間に似合わない大きな声が響いた。


「なんで言ってくれなかったの?!」

「だって言ったら結衣泣くだろ?」


そりゃ泣くよ!

祐くんがアメリカに留学だなんて‥。


しかも明後日から。

そんなの急すぎるーっ!!!

大体さ、少しくらい彼女のあたしに相談しようとか考えなかったの?

祐くんはいつもそう。

勝手に考えて勝手に決めちゃう。

夏休みに一緒に行った旅行のときだって祐くんが急に決めるもんだから仕事とか休むの大変だったんだから!


「メールすればいいじゃん」

「祐くんの声聞けないじゃん」

「電話すればいいじゃん」

「祐くんの顔が見れない」

「テレビ電話すればいいじゃん」

「祐くんの匂いかげない」


「はぁー」とため息をつく祐くん。


わがままなのは分かってる。

でも少しはあたしの気持ちもわかってよー。

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