どーるぷりんせす
祐side
騒がしい空港。
駿が俺に抱きつきながら号泣している。
恥ずかしいからいい加減離せっつーの。
「祐たーん!行かないでーっ!」
「無理だから」
はぁ。
なんでいま俺の腕の中にいるのはこいつなんだ?
‥ほんとなら結衣の予定だったのに。
「‥祐くんっ」
やべー、とうとう俺おかしくなった。
結衣に会いたすぎて幻聴が聞こえるようになった。
「祐くんっ!」
しかもだんだん大きくなってきたし。
俺相当重症。
「祐くんってば!」
ドンッとなにかが背中にぶつかった。
振り向くと、息を切らした結衣。
「な、なんで‥」
仕事じゃねーのかよ。
「‥会いたかったから」
ニコッと笑う結衣。
「‥ばか」
結衣を引き寄せる。
結衣に触れられるのも今日で最後。
‥最後。
「祐くん、あたしずっと待ってるから。‥ずっとずっと待ってるからね!」
「浮気したらまじで怒るよ?」