どーるぷりんせす



「結衣‥。とりあえず泣き止も?」


祐くんは優しく囁いてあたしを抱き締めた。


「祐く‥んっ。だめだってっ」


だめ。
優しくされたらもっと好きになっちゃう。


「ごめんね、1人で帰れるから‥っ。‥‥ごめんねっ」


祐くんの胸を押すけど、男の子の力には勝てなくて、祐くんはビクともしない。


「お前バカか。好きな奴が泣いてるときにズコズコ1人で帰る男がどこに居んだよ。」


「‥へっ?!」


いま祐くん、"好きな奴"って言った‥?


驚いて祐くんを見ると、少し恥ずかしそうに横を向いていた。


「‥んだよ。こっち見んな。」


そう言って祐くんはあたしを目隠しした。


「だって今祐くん‥」

「それ以上言ったらキスするよ?」

「キッ‥?!」


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