どーるぷりんせす



「いいこいいこ」

「少しバカにしてるでしょー」

拗ねたフリして祐くんから目を反らす。


「まぁまぁ。そんなに怒るなって」


「別に怒ってないもん」


「ちょいとそこのお二人さん。ごはん食べましょうよ」


くだらないことを話していたら、いつのまにか中庭に着いていた。


祐くんとあたしは近くのベンチに座って、バカップル2人はその向かいのベンチに座った。


「いただきまーす」

お弁当を広げると、大好きなからあげが入っていた。

やったぁ!


チラッと祐くんを見ると、購買で売っているパンをかじっていた。


「そのパンおいしい?」

「うん。美味い。」


そういえば祐くん、いつも買い弁だな。

お弁当とか作らないのかな?


「お弁当とか作らないの?」

「朝は時間ないからな。作る時間がない。」

「お母さん作ってくれないの?」

「母ちゃんは朝早くから仕事。しかもほとんど家帰って来ねーし。」


ってことはほとんどごはんは買って食べてるってことだよね。

体に悪いじゃん。


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