どーるぷりんせす



そう言って祐くんはあたしを抱きしめる手に力を入れた。


あたしも負けじと抱きしめ返す。


「好き」

「俺も」


あたしってこんなに積極的だったっけ?

最近自分が自分じゃないみたいになる。

やっぱり恋は人を変えるね。


「じゃあそろそろ帰るか。風邪引いたら困るし」


あたしからゆっくり離れながら祐くんが言った。


コクリと頷いたあたしの頭を撫でて、祐くんは微笑んだ。


「また明日な」

「うん、ばいばい」



祐くんが見えなくなるまで見送ってから家に入った。


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