くもりのちはれ
「は....る..と。」
なんで??
どうして???
「どうして、
安達の隣なんて選んだんだよ。」
っえ!?
なんでそんなこと聞くのかなぁ。
「仲直りしたかったから...」
そう私が答えると、
「ふーん。」
と言って彼が私に歩み寄ってきた。
そして、腕を掴まれる。
「ちょっと、離して。」
こんなとこ誰かに見られたら、
私の思いが水の泡になっちゃう。
必死に抵抗するけど、
やっぱり男の子にはかなわなかった。
「詩音。俺まだやっぱり....」
彼が何かをいいかける。
でもその言葉を聞いたら、
なにもかもが壊れてしまいそうで。
「詩音なんて言わないでっっ!!!!」
気付いた時にはそう叫んでいた。
涙がほほを伝う。