君と彼と彼女とあたし。
プロローグ
ジリジリジリ・・・♪
なんとも鈍い音がする。
気分が悪くなり、目覚まし時計の
その鈍い音を止めた。
朝から、気分が悪いだなんて。
あたしは今河明菜(イマカワ アキナ)
成績も運動もそこそこってところで
飛び抜けた才納なんて綺麗なものは
1つも持っていない。
・・・そんな普通な高校生。
そうして、自分の汚い部屋から出て
階段を静かに降りる。
まだ、家族が寝ているから
大きい音は出せないのだ。
「毎日、めんどくさっ・・・。」
朝は自分がご飯を作って、勝手に学校に行く。
でも、まだ家族は起きないのだ。
「ったく。ふざけんなし。」
また出る、あたしの愚痴。
いつも言っているから、きっともうあたしの口癖だろう。
そうして準備も終わり家を出た。
同じ光景だ。
でも、1つ違った・・・。
「初雪かぁ。」
雪が降っていた。
急に外が昨日と違って寒く感じた。
でも、それ以外に違ったコトなんてなかった。
これがあたしの普通の日々だったのに
あいつが来てから、あたしの毎日が狂いはじめたのだった。