あたしの前だけ俺様王子☆
第4章
急なお誘い
学園祭が終わり、だんだん寒くなってきた。
あたしの大っ嫌いな“冬”の季節が近づいてきた。
「…寒い、寒すぎるよ」
まだ11月にも関わらず、制服の裾で手の甲まで隠す。
なんで冬ってこんなに寒いんだろう。
当たり前だけどさ、ほんとに嫌い。
「あいか~、そんなに寒いの?」
そう言いながら抱きついてくる美紀が、今まで以上に天使に見える。
「美紀、ずっとそのままでいて。暖かいから」
だけどあたしの願いも虚しく。
授業の初めのチャイムとともに美紀は「ごめんね~」と言いながら自分の席へ戻って行った。
「……」