あたしの前だけ俺様王子☆
…あたしの唯一の救いが。
はぁ、とため息をひとつついてあたしも自分の席へ向かう。
まだ11月の初めだからストーブも出ていない。
もちろん暖房もつくわけがない。
だからストーブや暖房がつく真冬よりも、この微妙に寒い11月が一番の強敵だ。
肩を落としながら席につく。
そして少しでも寒さを和らげるために身を縮める。
「……」
そんなあたしを隣からみているアイツは全然寒くなさそう。
むしろ腕まくりなんてしちゃってるし。
いつもなら即座に「寒くないの?」とかって聞くんだろうけど、もうそんな元気もない。