あたしの前だけ俺様王子☆
教室がある方向とは真逆に走って行った女。
・・・アイツ、絶対バカだろ。
つか、方向音痴ってやつか。
その方向に行っても、行き止まりになることは知ってるけど
わざわざ俺がアイツに言う必要ないし。
大体、あの状況で俺が教えるわけがない。
・・・あ、やべ。
そういえば、アイツに本性バレバレだよな。
学校の中では優しい優等生って設定なんだけど。
ま、めんどくせぇし。いいか。
俺はもう一度あの女が走っていった方向を見る。
・・・まだ走ってるし。足遅すぎじゃね?
慌しい女が走り去っていく姿を見ながら、
俺はクスクスと笑い声を漏らした。
そして
「・・・変な女・・・」
それだけ呟いて、その場を後にした。