あたしの前だけ俺様王子☆
理想の王子様
ざわざわとしている教室。
その教室に、ひときわ大きな声が響く。
「でさー!!
その男、すごい上から目線だったの!!」
「うんうん、それで?」
すごく興味深そうにあたしの話を聞いているのは
同じクラスの吉野美紀。
中学からの仲で、一番仲良しな友達だ。
そして、イケメン大好きな女の子。
美紀自身もかわいいせいか、よってくる男もかっこいい人ばかり。
もちろん、美紀の理想も高いわけで。
あたしが少し“イケメン”ってキーワードを出すだけで目を光らせながら話を聞くんだ。
今はさっき出会った男・・・
イケメンなのに最低なやつについて話してるとこ。
ほぼ愚痴ってるにもかかわらず、美紀の目は光を帯びたまま。