あたしの前だけ俺様王子☆
そんな視線に、美紀が気づくわけもなく。
あたしはただ苦笑いをするしかなかった。
いつの間にかHRの時間になっていて、チャイムが鳴り響く。
あたしも美紀も、先生が来る前に慌てて席につく。
特に何もすることもなく、ボーっと先生が来るのを待つ。
すると急に後ろの扉が開いた。
誰か遅刻かな?
そう思って振り向く。
するとそこには、見たことのない生徒が立っていて。
どうすればいいのかわからないような感じだった。
次第にクラスのみんながその生徒に気づき始める。
それと同時に、クラス中の女子を中心にザワザワしてきた。
あたし以外の女子たちがみんな目の色を変えて、甲高い声で叫んでいる。
なんのことかわからないあたしは、その光景を見ながら、ただ首をかしげることしかできなかった。