あたしの前だけ俺様王子☆
困り果てた先生は、教室中を見渡している。
きっと、空いている席でも探しているんだろう。
先生も大変だなぁって、完全に他人ごと。
空いてる席なんて、このクラスになんてないよ。
そう思って教室の風景を改めて思い出してみる。
あ、まって、そういえば…
あたしは隣の席に目をやる。
そういえば、あたしの隣の席、空いてたんだった…
すごく嫌な予感がした。
ゆっくりと先生の方へ目線をやる。
すると先生はあたしのほうを見て、ニコッって微笑んだ。
「立川、小野の隣が空いてるから。そこに座ってもらえるか?」
・・・嫌な予感、的中。
そう先生が言った瞬間、クラス中の女子たちから痛い視線が突き刺さった。
こ、怖い…っ!
周りからの視線を振り切るように、首をぶんぶん振った。
それでも後ろからの威圧感は、とてつもなく大きく、怖いものだった。