あたしの前だけ俺様王子☆
そのまま資料室に向かっていったあたし。
走ったからか、思ったよりも着くのは早かった。
「ここ…、だよね?」
ほんとに突き当たりにあるんだ…
今まで走ってきた廊下を振り返って見てみる。
そこには電気のついていない教室、思ったよりも長々と続く廊下があった。
…結構、距離あるね…
これをまた帰って行かなきゃいけないって思うと、ちょっと気が遠くなっちゃうかも。
はぁ…と、ひと息ため息をつく。
ふと、資料室の入り口からすぐに左を見れば、外へ続く扉があった。
きっと、屋上かなにかだろう。
だからか、階段を上がったばかりより心なしか明るい気がするのは。
少しだけ開いた扉の隙間からは、涼しい風が吹き込んでくる。
あたしはその風に惹かれるように、資料室に入るのも忘れて屋上へ出た。