あたしの前だけ俺様王子☆











微かな隙間から見える太陽の光に目を細めながら、あたしは彼をしっかりみてみる。



ちょっと着崩した制服に、無造作にはねている黒髪。
あたしを見下ろす、上から目線な切れ長の目。


悔しいけど、やっぱりめちゃくちゃかっこいい……



完璧にあのときの男だ。




ふいに彼に初めて出会ったときのことを思い出す。



……顔がカァッと赤くなってくるのがわかった。

あの時のムカつきと恥ずかしさを思い出して頭に血が上ってきてるような感じがする。




あの時ど同様に、しばらく続いた沈黙を破ったのは
あたしの上に立っている彼だった。





「…なんでここにいるわけ?」

そんなあたしの感情を知ってか知らずか、彼は頭を掻きながらめんどくさそうに聞いてきた。



な、なんでって…
特に理由とか、ないんだけど…

ただの成り行きみたいなもんだし、あたしがここに来たのって…










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