あたしの前だけ俺様王子☆










この人、前に会ったばっかりだし…
それなのに知ってるなんて、あたしそんなにバカそうに見えるのかな…?





そんなあたしの素朴な疑問に、彼はびっくりした表情を浮かべた。

だけどその表情もすぐに変わった。
あたしをみて一瞬だけフッと笑うと自分のポケットから黒縁メガネを取り出す。



あたしは彼が何をしようとしているのか理解できずに、ただただ彼の行動を見ていた。




すると彼は取り出した黒縁メガネをかけて、あたしに背を向ける。







「…これならわかるかな。
……小野さん?」




その言葉と同時に、彼はあたしの方へ振り向いた。



その時、ふいにあのときの言葉が頭をよぎる。









――小野さん…だよね。
立川蓮です、よろしくね?――













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