あたしの前だけ俺様王子☆
あたしのことを知っている、メガネをかけた黒髪のイケメン男子ってことは…
も、もしかして…
「立川…蓮…?」
「そ、ご名答~」
サラッと流すようにそう言った彼。
あたしはびっくりしすぎて、そこからの言葉がなかなかでてこない。
「もしかして、気づいてなかったとか?」
「う…っ」
痛いところをつかれて、無意識に声が漏れた。
そんなあたしを見て、彼はまた口角を少し上げて笑う。
そしてゆっくりあたしに近づき、あのときのようにあたしの背に合わせてしゃがんだ。
同じ高さにある彼の顔は、やっぱりとても整ってて。
つい見とれてしまった。
「…ぃ、おい!」
「えっ!?」
彼の大きな声で、あたしはハッとして我に戻る。
あ、あまりにも格好良すぎる顔が近くにあったから…
見とれすぎていつの間にかぼーっとしちゃってたみたい…