あたしの前だけ俺様王子☆
優等生?
「立川く~ん!
ここの問題教えて~?」
「ねぇねぇ、お菓子作ってきたんだけど食べて!」
「キャーッ!かっこいい~!」
……また、か…
トイレから帰ってくると、いつもの場所から黄色く甘ったるい声が聞こえてくる。
そしてその周辺にできている女子の集団。
「あたし、席つけないし…」
これもまたいつものこと。
その集団はあたしの席にまで範囲を広げて丸くなっている。
きっと20人はいるであろう先輩らしき女子たちに、さすがにどいてください なんて怖くて言えない。
それに…
「ありがとうございます」
当の本人、立川蓮もいつもの王子様スマイルをかましている。
ほんとに、みんなの前じゃ全然態度とか違うんだから…
裏にはあんな俺様的なアイツの本性が隠れてるっていうのに。
どうしてみんなそれに気づかないのだろうか…