あたしの前だけ俺様王子☆
…はぁ、ついてない。
多分さっきの大きな音は、これが落ちたときの音だ。
筆箱の中から散らばったペン達がそれを物語るようにしてあちこちに飛んでいる。
もう一回大きなため息をついて
それらを拾おうと椅子から立ち上がった。
机の横にかがみながら一個ずつ拾う。
ほとんど拾って、あとは一つだけ遠くに落ちている消しゴムだけになった。
あたしはまた立ち上がって、消しゴムのとこまで移動すると
アイツに背を向ける格好で立ったまま消しゴムを拾った。
…これで全部、だよね。
よし、と 小さく呟いて席まで戻る。
ふとアイツの方を見てみると、何か言いたげな表情であたしを見ている。
そしてボソッと、あたしに聞こえない声でなにかを呟いた。
え…?
「今、なんか言った…?」
「あぁ。ピンクだ、ってな」
ニコッと腹黒い笑顔を浮かべながらそう言ったアイツ。