あたしの前だけ俺様王子☆
「ちょ、美紀…もしかして、朝からしょげた雰囲気出てたのってそれが理由?」
あたしが聞くと、美紀は不思議そうに首を傾げた。
「それ以外になにかある?」
その言葉を聞いた途端、一気に肩が重くなるのを感じた。
あたしはこんなことを聞くために美紀を心配したのか…
そう思うと、やっぱりこんな感情になるのはアイツのせい。
美紀まで虜にしちゃって…
あたしが大変になるのに。
勝手にアイツを睨みつけ、全てをアイツのせいにするあたしは最悪だろうなと思った。
でも、どうしても嫌で。
あたしはジーッとアイツを睨んでいた。
すると、アイツを取り囲む集団の中から、あたしへ鋭い視線を向ける人がいた。
ただ目が合ったとかじゃなくて、確実にあたしをとらえて睨んでいる。