あたしの前だけ俺様王子☆
彼はあたしの目の前まで来ると、
立ち止まってまた一つ、大きなあくびをした。
そんな姿もかっこよく映っている彼。
あたしは、つい見とれてしまった。
すると、彼はあたしの身長に合わせるようにしゃがんで
急に一言、言葉を発した。
「・・・お前、ジャマ」
その一言。
急な出来事に、あたしは呆気にとられ何も言えなくなる。
え、なんで・・・?
急にジャマって言われた・・・それも初対面の人に。
一回も会ったことないのに・・・
少しの間、お互いに沈黙が続く。
とても気まずい沈黙。
あたしも、もちろん彼も何も言わずにただ立ち尽くす。
すると彼は急に立ち上がり、あたしを見下ろすように見ると
そのままの姿勢で再び口を開いた。