あたしの前だけ俺様王子☆








彼はあたしの目の前まで来ると、

立ち止まってまた一つ、大きなあくびをした。



そんな姿もかっこよく映っている彼。

あたしは、つい見とれてしまった。




すると、彼はあたしの身長に合わせるようにしゃがんで

急に一言、言葉を発した。










「・・・お前、ジャマ」



その一言。

急な出来事に、あたしは呆気にとられ何も言えなくなる。





え、なんで・・・?

急にジャマって言われた・・・それも初対面の人に。


一回も会ったことないのに・・・




少しの間、お互いに沈黙が続く。


とても気まずい沈黙。

あたしも、もちろん彼も何も言わずにただ立ち尽くす。




すると彼は急に立ち上がり、あたしを見下ろすように見ると

そのままの姿勢で再び口を開いた。













< 5 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop