あたしの前だけ俺様王子☆
ヤバいヤバい、急がなきゃ!
そう心の中で呟きながら、誰もいない廊下を全力疾走。
無駄に広い校舎。
こんなときに困る。
教室と職員室までの距離が、異様に長い。
職員室まで後少しのところで
教室と階段の間の角を曲がろうとしたとき。
あたしは先に進めなくなった。
「…す、好きです!」
階段の横で、アイツが告白されていたからです。
女の子は顔を赤らめながら、恥ずかしそうに俯いている。
ちょうどアイツの姿は後ろ向きだから、表情は全く見えない。
少しの沈黙の後に、アイツが言葉を発した。