あたしの前だけ俺様王子☆
「…あの子も、どうせ同じだ」
そう言って、悲しそうに目を伏せたアイツ。
「え…っ」
つい、漏れてしまった声。
だって、あまりにも唐突だったから。
今までのアイツからは、想像も出来ないような、悲しげな表情だったから。
「…あ、そういえば!
彼女いるんだって?」
いたたまれなくなって。
咄嗟に違う話題を出してしまった。
アイツは呆気にとられたような顔をした後、いつものように意地悪な笑みを浮かべた。
「気になる?」
「……」
自滅だ、そう思った。
「ま、想像に任せるさ。
ただ、俺が彼女にする女はおまえみたいなお子ちゃまじゃねーから。間違っても、期待なんかすんじゃねーぞ」