あたしの前だけ俺様王子☆
「…で、なんでここに来たんだよ。
もしかして俺目当てか?」
もう開き直ったみたい。
アイツはいつものように口角をクッと上げてニヤッと笑った。
ほんと、ムカつく。
さっきまでとは全然違うし。
いつものアイツに戻っちゃったじゃん。
「べ、別に関係ないよ!
ただ神山くんに頼みごとされて資料室に来ただけだもん」
「俊が?」
その言葉と同時に、あたしと美紀の手元にあるファイルに目をやって
「あ、それ俺の仕事だ」
と小さく呟いた。
ちょ、それって…
「なに仕事サボってんの…」
こんな忙しいのに、自分だけこんなところで寝ちゃって。