あたしの前だけ俺様王子☆
「別にいいだろ。どうせ当日は俺目当てで来るやつばっかで
忙しいんだし、さっきまではちゃんと仕事してたし」
なんか文句あるか?とでも言いたそうな目をあたしに向け、
またゴロンと寝転がってしまった。
いやいや…
確かにそうかもしれないけど
それとこれとは話が別でしょ。
…よーし。
あたしはそのままアイツに近づくと、アイツの腕を持って
精一杯ひっぱった。
だけど簡単には動いてくれないわけで。
そんなあたしの行動に、アイツはめんどくさそうに顔だけを動かす。
「…なにやってんの?」
「決まってんじゃん、連れてくの!」
無理矢理だって連れてってやるんだから。