あたしの前だけ俺様王子☆
そんなあたしたちを見ていた美紀は、クスッと笑ったあとに
「これ持って行ってくるね」って言って
屋上から出て行ってしまった。
「あ、美紀!
…勝手においてかないでよ」
美紀にブツブツっと小言を言いながらも、
アイツを引っ張る腕に力を込める。
ちょ、なんで全然動かないのよ…っ
こんなに力入れてるのに、さっきから変わってないし。
「無理だって。
お前みたいな小さいやつがどんなにがんばっても動かねーよ」
動かないっていうか…
動く気がないだけでしょ、絶対。
「…た、立川くんが来てくれなきゃ
女子たちが動かないの!
それに美紀にも仕事任せたままでしょ、早く行くよ!」