あたしの前だけ俺様王子☆
「……」
なに、それ。
名前なんて絶対呼びたくない。
そんなに仲いいわけじゃないし、
アイツに指図もされたくない。
…だけどこのまま寝かせとくのもダメだし。
「…ね、ねぇ!教室行こうよ!」
必死に揺すって声をかけるけど。
「だから呼ばねーと言うこと聞かねーって」
「……っ!」
なに小学生みたいなこと言ってんのよ…
でも連れてかなきゃ、美紀に任せたままだし。
「…んくん」
「聞こえねー」
絶対聞こえてる…っ!
じゃなきゃこんなに笑ってないよ。
「ん、もいっかい」
目をあたしのほうに向けたアイツが
楽しそうにそう促す。
しょ、しょうがない…よね。