あたしの前だけ俺様王子☆
「れ、蓮くん!」
大きな声で、そう叫んだ。
なんだか恥ずかしい…
顔が赤くなってる気がして、彼がどんな表情をしてるのかすら見ることができない。
さっきまでの威勢の良さも消えて、
また二人の間に沈黙ができた。
そんな中、彼はふっと立ち上がった。
あたしは少し不思議に思って顔をあげる。
…だけど、彼の表情は見えなかった。
アイツの大きな手があたしの頭を優しく撫でて、
「よくできました」
それだけ言って教室へ向かって行ったから。
頭にアイツの手が乗ったとき、どこも動かせなくって。
これ以上顔をあげられなかった。
真っ赤になった頬を抑えながら。
「なんなの、アイツ…」
そう呟いて、あたしもアイツの後を追って教室へ向かった。
まだ微かに残った頭の感触にドキドキしながら…