あたしの前だけ俺様王子☆









そんなアイツにビビりながらも、男子生徒の一人があたしに目をやる。


「そ、そんなこと言われなくたって帰るよ。
こんな普通な女が相手じゃ、面白くもなんともねーし」


それだけ言って席を立つ。

ズキっと胸が痛んだ。
そんなにほんとのこと、言わなくたっていいのに。

悔しいし悲しくて、出そうになる涙を必死に堪える。


あたしの横を通り過ぎようとしたとき、アイツが彼らに近づいた。

「お前らにそんなこと言う資格ねーよ。
さっさと出てけ」

あたしにギリギリ聞こえる声でそう言った。


完全にビビったのだろう。
彼らはそそくさと出て行った。








< 97 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop