あたしの前だけ俺様王子☆
そんなアイツにビビりながらも、男子生徒の一人があたしに目をやる。
「そ、そんなこと言われなくたって帰るよ。
こんな普通な女が相手じゃ、面白くもなんともねーし」
それだけ言って席を立つ。
ズキっと胸が痛んだ。
そんなにほんとのこと、言わなくたっていいのに。
悔しいし悲しくて、出そうになる涙を必死に堪える。
あたしの横を通り過ぎようとしたとき、アイツが彼らに近づいた。
「お前らにそんなこと言う資格ねーよ。
さっさと出てけ」
あたしにギリギリ聞こえる声でそう言った。
完全にビビったのだろう。
彼らはそそくさと出て行った。