あたしの前だけ俺様王子☆
「…、あ、ありがとうね。
じゃああたし、仕事あるから…」
そう心なく笑って、その場から離れようとしたけど。
「…ちょっと来い」
それだけ言って教室から出て行った。
あたしは無言でついて行く。
だいたいアイツが行こうとしてる場所は予想がつく。
「……」
「……」
お互い無言でそこまでの道のりを歩く。
ホスト姿のアイツと、メイド姿のあたしは結構目立つ。
しかも普段から目立っているアイツはさらに目立つ。
だからあたしは一定の距離を開けて歩いた。
そして、やっとついたのはやっぱり屋上だった。