キミといたくて ~AYA~

「……わかった。もう忘れないようにする」

やっぱあるんだ、イヤなとこ。

「あと、あたしのエビフライ食べちゃったことかなぁ。あたし、魚介類はキライだけど、エビフライは食べれるんだ」

「あ……あれは謝ったじゃん。もう食べないよ」

結構、根に持つタイプなんだね、真由美って。

「あとね~、アレもムカついたんだよね~」

仲良しだって思ってるのはあたしだけで、真由美はそこまで、あたしを好きではないんじゃないか。あははって笑いながらも、冷めた目で見てたことがあったのかもしれない。

真由美の口からこぼれる不満を、静かに聞きながら、そんなことを思う。すると、突然、視界が真由美の顔でいっぱいになった。

「ジョーダンだよ!」

「え?」

「ちょっと意地悪言っただけ。キライなとこなんて、ひとつもないよ!」

いつの間にか、俯いていたあたし。顔を覗き込んできた真由美は、暗くなってたことをあははと笑う。

「もー! 本気でへこんだ!」

「ごめんごめん」
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