キミといたくて ~AYA~
からかわれたことにムッとして、頬を膨らませる。すると、真由美はにんまり微笑んで、小指を立ててきた。
「ずっと一緒」
あたしたちが仲良くなったのは、出席番号順が前後で、同じアイドルを好きだったから。
苗字が「野々瀬」じゃなくて、Monsterのファンじゃなかったら、あたしたち、どうなってたんだろう? そんなふうに考えてしまった。
そして思ったの。友達になれてほんとよかったな、って。
「安心して。もうエビフライは食べないから」
「あはは!」
オレンジ色の道に、長く伸びたふたりの影。高校生になっても、こんなふうに向き合えてるといいな。
きっと続いてるよね。あたしたちは、ずっと仲良しだもん。
指を絡ませて微笑みあう間、あたしは「この約束は守られていくものだ」と信じきっていた。
そのときはまだ、次の日の昼休みから、自分たちが「3人になる」だなんて、想像もしていなかったから。