キミといたくて ~AYA~
「これは、すごい偶然だったよねぇ」
話を聞きながら携帯を触っていたあたしは、つけてあるストラップを、プラプラと横に揺らした。
「偶然?」
首を傾げる結衣ちゃんに、うんと頷く真由美。
「あたしがこれを買ったのは、去年のクリスマスなの。新しい携帯に替えてもらったから、そのついでに」
「そうそう。で、あたしはお正月が終わった頃に買ったんだぁ。亜矢が持ってるとも知らずに、可愛いからって一目ぼれで。あん時は驚いたよねぇ! なんでつけてんの、って」
「うん、びっくりしたぁ! まさか真由美もこれを買ってるだなんて!」
始業式のあと、あたしたちは、どんだけ仲がいいの、ってふたりで爆笑したの。
ただの偶然だってのはわかってるけれど、妙に運命みたいなものまで感じちゃって、すごく嬉しかったんだ。
同じ頃に、それぞれが同じものに惹かれてたとか、そうそうないことだと思うから。
だから、お揃いにした物の中でも、このストラップは特別。
「へぇ~。そんなことってあるんだねぇ」
あたしたちの話を聞きながら、結衣ちゃんは真由美のストラップを手に取る。