キミといたくて ~AYA~
3学期はどの教科も小テストばっか。受験、受験、って言葉があっちこっちで飛びかってる。
この間、滑り止めに私立を受けたとこ。ちょっとは息抜きもしたいし、試験のことばかり考えたくない。
だけど、クラスの大半は休憩時間も教科書や赤本を開いていて、次にある公立の試験に控えてる。
なんだか教室全体が暗く感じるし、このまま卒業しちゃうのは寂しいなって思うときもあるんだ。
でも、あたしたちは違う。一緒に勉強することもあるし、一応、受験のことは考えてるけれど。
「亜矢、フタ貸して。この魚あげる」
「も~! 絶対、言ってくると思った」
「へへ。野菜、食べてあげるからさ」
Monsterの話でキャーキャー言ったり、高校生になった自分たちを想像してニヤニヤ。
いまだって嫌いなおかずを交換しあって、賑やかに過ごしてる。真由美は一緒にいてホッとする存在なの。