キミといたくて ~AYA~

微笑み合うふたりを、後ろからじっと見つめる。

「……」

なんでこうなったんだろう。


「はい! あ、これも……」

教室に着いたら、真由美は手帳を片手に、あたしの席まできた。

小さなハサミで切り取った、6枚のプリクラ。楽しそうなふたりにイライラする。

手帳に貼るのも嫌で、カバンのポケットにパラパラ落とした。すると、後からきた結衣ちゃんが、明るくこう訊ねてくる。

「真由美と亜矢ちゃんって、公立はどこを受けるの?」

「……」

なんでそんなこと聞くの?

「ふたりとも東高だよぉ」

だから、何でもかんでも教え過ぎだってば。

嫌な予感がする。まさか、この子も受けるって言いだすんじゃ。

「東かぁ! そこなら、あたしも行けそう!」

ほら、やっぱり。

「……」

「あ、一緒に受ける?」

もうやだ。

「そうだなぁ、親にも相談してからになるけど……今だったらまだ間に合うよね?」

「……」

ほんとにやだ。
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