キミといたくて ~AYA~
第6話
あと3日で卒業式。日曜の今日は、朝から親と出かけてた。
「ちょっと地味かしら。亜矢、どっちがいい?」
家に帰って、すぐにクローゼットの扉を開けたお母さん。
主役はあたしなのに、まるでファッションショーにでも出るかのような洋服選び。
てか、こんなにも紺色の服を持っているだなんて知らなかった。
「亜矢、勉強は?」
無視したら、手のひらを返してしかめっ面。ほんと調子がいいんだから。
「後でやる。今、これ見てんの」
「またMonster?」
「またって……これは録画したまま、ずっと見れてなかったやつなの!」
「んなことばっかり。私立に受かったからって気を抜くん……」
「わあかったってば! やるから、ちょっと黙っててよ! 全然、聞こえないじゃん!」