キミといたくて ~AYA~
お母さんの声を遮り、テレビの音量を上げた。
「ふぁ~あ」
早起きしたから、あくびまで出る。
今日は休みなのに、いつもと同じ時間に起こされた。
“他のお母さんも来るんだから、ボサボサのみっともない髪じゃだめよ”
そう言われながら食べた、朝ご飯。
一緒に美容室へ行ったけれど、毛先を揃えるだけのあたしより、パーマをかけるお母さんのほうが時間がかかって。
帰ったら昼の2時。散々、人を振り回したくせに、家に着いた途端、「勉強、勉強」って急かしてくる。
「何時からするつもり?」
「……」
「亜矢ぁ!」
「わかんないよ。これ1週間分だもん!」
聞こえないふりをしても、お母さんはしつこい。
ていうか、話しかけられるせいで、さっきから同じところを巻き戻してばっかだし。