キミといたくて ~AYA~
和田さんたちがドラマの話をし始めると、あたしはいつも思い出していた。Monsterの話で盛り上がっていた自分たちを。
ケンカなんてしなかったら、今もあたしたちは一緒で、毎日Monsterの話で盛り上がり、受験の結果だってすぐにわかったはず。
テレビに集中できなくて、ベッドの横に放ったらかしにしてあるカバンまで歩いた。
「……」
取り出したのは、サイン帳。最初のページは白紙のまま。これは真由美の分。
渡せないまま卒業してしまう。いちばん書いてほしい相手なのに。
ずっとふたりで過ごしてきたのに、何も書いてもらえない。