幼なじみの四角形*
「やっぱしさ。」



ふたりの話し声が聞こえた。
聞いちゃいけない…
分かってても。
足は止まってしまった。


「彼氏ができても考えちゃうもんだね。」



「杏が言ったんだろ?終わりにしようって−」



「優斗は、あたしを…忘れられた?」



「少し片隅にはあったけどね?」



俺だって…
さくらのこと忘れられねぇよ。
メールだって…
電話だって…
最後のボタンが押せねぇ。



「そういえばさっ!さくらからメールきた!?」


「きたよ!あの彼氏ができたってやつだろ?」



「そうそう♪みんなカレカノできるとかすごっ」


彼氏…



彼氏か…
< 61 / 122 >

この作品をシェア

pagetop