[企]*white valentine*


一時間後。

結局レジの打ち間違えが原因で、現金の方は合っていたので何事もなかったということが判明。


私が胸を撫で下ろしたときには0時になっていた。

今日はよく働いた!なんて自分で自分を褒めながら店内の電気を消して鍵を閉める。


いつもの帰り道を歩き、デパートの前へ差し掛かった時……私は自分の頬をつねった。


「あれ……?私、疲れてるのかな?」


夢か幻か?

それとも現実か。


この時間なら閉まっているデパートのショーウインドウのシャッターが開いていて、真夜中の道をぽっかりと照らしていた。

照らされた光の先に、しばらく会えないと思っていた人の姿。


「……蓮さん?」


ガードレールに腰掛け、作業着姿で顎に手を当てて、ショーウィンドウへ真剣な眼差しを向ける蓮さんがいた。
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